消尽の日記

中身も外見もまぁ覇気がない

「内向的・外向的な動作」3/19の日記

 

 

3/19

 

スマホの目覚ましを電話の音に変えたらめちゃくちゃ起きれるようになった。なったけどめちゃくちゃツラい。心臓をバクバクと鳴らしながら起きるハメになる。

 

 

ごろごろ作業ごろごろの順番で時間は過ぎて行った。

 

 

良い味。バターの柔らかい油分っぽい甘みと旨味を感じる。間に挟まっているレーズンがいぶし銀の活躍をしていて、しゅんだような上品な果実味を出している。クッキー生地はもろもろとした柔らかくて若干のしっとりさがある生地でクリームとレーズンを下支えしている。総じて美味しい良いお菓子だった。コーヒーと合わせていただいた。

 

バイト

 

みじかい髪も長い髪も炎を読み終えた。

 

 

通して読み終えて気になったのは父、または骨が登場する短歌。この歌集において複数回登場するモチーフの内のふたつなんだけど、生々しくてほの暗い印象を持っているものが多い。深さを感じやすいとも言える。以下歌集「みじかい髪も長い髪も炎」(平岡直子)より引用。

 

からだに穴はあけちゃだめだってお父さんが言ってたわたしの耳噛みながら

 

わたしにも父のと同じイニシャルがあるけどそれ壊れているの

 

ほとんどの骨はからだに閉じ込めてときどき月に向かって笑う

 

怒りには燃えても残る骨があり父の少年時代を知らず

 

鎖骨が貝になるとき恥骨が蝶になるとき父が怪我をするとき

 

作中主体は父に対して長年積み重ねてきた感情があるのかと読みながら思った。2首目に引用している歌の「あるけどそれ壊れているの」は助詞の「は」を抜いていて、韻律の崩れが「父のと同じイニシャル」の壊れ具合を強調しているように思うし、言って放すような感じが出ている。

 

骨のモチーフについては、この歌集で頻出する身体(臓器、舌、手など)に関するモチーフの内のひとつなんだけど、個人的に良いなと思った短歌が多かった。たとえば、月に向かって笑うの短歌では視点が内から外へ向くように描写されていて、「閉じ込めて」と「笑う」にも内向的・外向的な動作として相対化されている。とても凝った作りをしていて良いなと思った。

 

鎖骨が貝になるときの短歌も3段オチになっていて印象に残っている。鎖骨や恥骨が貝や蝶といった抒情あるものへ変化する描写と父が怪我をすることが並列して表記されており、短歌全体に怪しくて不穏な空気を纏りついている。ただ綺麗に描写するのではなくて、しっかりもう一歩踏み込んだ演出を差し込んでいるというところに巧さを感じるし、とても勉強になった。

 

正直今まで触れてきた短歌とは全く違う方向性のものだったのでピンと来るかなと思いながら読んでいたけどめちゃくちゃ面白かったし良い歌集だった。上に挙げた以外にも良い歌が沢山あって買ってよかったなと思った。

 

 

全然寝付けなくてハースストーンの大会配信をぼんやり眺めながら眠くなるのを待った。

 

おわり