2022-07-01 6月の月詠「魚」短歌6首 短歌・詩 6月の月詠 朝永恵 ひとひとり入る隙間がない蕎麦屋 急いで急いで急いで生きる 青年のデスクに向かう6月の首に汗疹の予兆が出ていて触る ◇ 「魚」 浜辺には行けませんから青色を代わりに塗って地図を作って 丘陵に薄桃色の巣を作るそういう鳥を見たことがある 明け方の去りゆく魚の群れの背が水面に立った塔を崩して 海岸に立つ電波塔に風が吹く低くて暗い雲の中に立つ