消尽の日記

中身も外見もまぁ覇気がない

6月の月詠「魚」短歌6首

6月の月詠

朝永恵

 

ひとひとり入る隙間がない蕎麦屋 急いで急いで急いで生きる

 

青年のデスクに向かう6月の首に汗疹の予兆が出ていて触る

 

 

「魚」


浜辺には行けませんから青色を代わりに塗って地図を作って

 

丘陵に薄桃色の巣を作るそういう鳥を見たことがある

 

明け方の去りゆく魚の群れの背が水面に立った塔を崩して

 

海岸に立つ電波塔に風が吹く低くて暗い雲の中に立つ