消尽の日記

中身も外見もまぁ覇気がない

輪るピングドラムは凄かった

こんにちは!山科です。

 

アマゾンプライム輪るピングドラムを観たので感想を書こうと思います。

 

 

あらすじ

子供たち3人で暮らす高倉家。双子の兄は冠葉と晶馬。2人は体が弱く入院がちな妹・陽毬とつつましくも幸せに暮らしていた。陽毬の体調も良いある日、3兄弟は水族館へ出かけることにした。久々の3人での外出にはしゃぐ陽毬。兄たちは目を放した隙に陽毬を見失ってしまった。その後、兄弟が目にしたのは人垣の中で倒れている陽毬だった。搬送された病院で、もはや手の施しようがないことを告げられる。亡骸を前に悲嘆にくれる2人。すると突然、水族館で買ったペンギンの帽子をかぶった陽毬が起き上がり、そして兄弟に高らかに宣言した。「妾はこの娘の余命をいささか伸ばしてやることにした。もし、このままこの娘を生かしておきたくば・・・・・・ピングドラムを手に入れるのだ!!」 (アマゾンプライムビデオより引用)

 

 

幾原邦彦監督特有のテーマ

まずこのアニメを作った監督について紹介していきます。

この監督は「輪るピングドラム」以外に「少女革命ウテナ」や「ユリ熊嵐」などの作品を手掛けていてその全ての物語のキーワードとして「愛」「透明」が組み込まれている。

どの作品も愛とはなんぞや?という問いかけが根底にあってそこから世界観やその他の重要なキーワードを組み立てているのだろうと思う。

透明というキーワードは酒鬼薔薇聖斗の犯行声明が元ネタになっていて、ピングドラムでは「こどもブロイラー」ウテナでは「暁生の世界」ユリ熊では「透明な嵐」として出てきており、その全てに誰からも愛されないという意味が含まれている共通点がある。

他にも強烈な百合要素やオープニングが壮大なネタバレ(ただし難解でわかりにくい)など監督の強い個性が滲み出している。

 

輪るピングドラムを観て

正直なところ最後の方は解釈が難しくあまり多くは語れないが、一番印象に残った点は「こどもブロイラー」だ。

こどもブロイラーとは誰からも必要とされなくなった子供、つまり「誰からも愛されなかった」子供が送られる場所で巨大なシュレッダーにかけられて誰だかわからない透明(ミンチ)にされてしまうという恐ろしい場所だ。

物語の主要な人物のほとんどがこどもブロイラー出身者で脱出できた子供たちは全員が誰かしらから選ばれて救われた子供たちだった。

 

またこの物語は地下鉄サリン事件のオマージュが散見される。

主人公たちが住んでいるあばら家はオウム真理教信者が集団で暮らしていた家に酷似しており丁寧なことに隣にあった公園まで再現されている。

アニメでは秘密結社が熊のぬいぐるみ型爆弾を地下鉄に設置していたり、物語の主人公3人は3/20が誕生日になっておりこれは事件が起きた日付に合わせられている。

テーマが電車であるため銀河鉄道の夜のパロディも組み込まれている。

登場人物である眞利(サネトシ)はザネリを元にしており冠葉(カンバ)と晶馬(ショウマ)はカンパネルラとジョバンニが元となっている。

 

終盤では主人公である高倉冠葉、晶馬、陽毬は全員血が繋がっておらずそのことで一度家族3人がバラバラになってしまう。

しかし愛を分かち合うということを思い出し最後は3人がまた繋がりあうことができた。

家族の愛というのは血が繋がってなくても成立するもので大切なものなんだなとはっきり理解させられた作品だと思います。

 

最後に

結局ピングドラムとは愛を分かち合うことなんじゃないかなと思いました。

ただこのアニメは解釈が難しく監督の表現したかったオマージュや伏線で気付けなかったところがちらほらある気がする。

それでもとてもいいアニメだと思ったしもっと広まってほしいなと思います。

 

おしり